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ウイメンズセンター婦人科

不妊とは?その検査と治療について

不妊症とは?

不妊症とは、特に病気のない健康な男女が妊娠を希望し、避妊をせず性交渉を営み、1年以上妊娠しない状態を指します。不妊症には、身体的な問題や生活習慣の影響などいろいろな要因があると考えられています。

不妊症の原因

不妊症の原因はさまざまで、女性、男性、または両方の可能性があり、卵巣機能や卵子の障害、精子の数や質の問題、子宮内膜や卵管の異常、ホルモンバランスの問題などが含まれます。最近では性交渉が稀あるいはない、ということで来院される方もいます。

[図]

https://www.jsog.or.jp/citizen/5735/より引用

不妊症の検査

不妊症検査は、適切なタイミングで行う必要があり、月経の1〜2周期を用いて計画的に行われます。

卵巣機能検査

卵巣が正常に機能しているか評価するために行われます。卵胞刺激ホルモン(FSH)および黄体形成ホルモン(LH)は、卵巣の健康状態を示す重要な指標です。

ホルモン検査

卵巣機能、月経周期、排卵に関連するホルモンレベルを確認するために行われます。主なホルモン検査には、FSH、 LH、エストロゲン、プロゲステロン、甲状腺ホルモン、プロラクチンなどが含まれます。

超音波検査

卵巣の大きさ・性状、卵胞の発育具合などを評価します。

精液検査

精液量、精子濃度、精子数、精子運動率、正常形態率などを調べます。

総精子数

下限基準は3900万/射精以上です。

精子の運動性

精子の動きや進行性を評価し、受精能力を判断します。

精子の形態

精子の形態を評価し、異常な形態の精子の割合を確認します。

子宮内膜の評価

子宮内膜が正常に発育しているか確認するために行われます。子宮内膜の厚さなどを評価するための超音波検査や、子宮内腔にカメラを挿入して行う内視鏡検査などが含まれます。

卵管の検査

卵管の通過性など卵管に異常がないか評価します。

子宮卵管造影検査
(Hysterosalpingography;HSG)

卵管の通り道を可視化するために行われるX線検査です。造影剤を子宮内に注入し、造影剤が卵管を通り抜けて腹腔に流れでる様子を撮影します。この検査によって卵管の閉塞や異常、子宮の形態の異常が発見されることがあります。

卵管鏡検査(falloposcopy)

小さなカメラを挿入して直接卵管を観察する検査です。卵管の異常や閉塞を評価し、必要に応じて卵管形成術などを行うこともあります。

超音波検査

卵管の異常や腹腔内の液体貯留などを評価します。ただしHSGや卵管鏡検査と比べて、卵管の詳細な情報が制限されることがあります。

不妊症の治療

個々のカップルの状況と不妊症の原因に基づいて治療法は異なります。治療計画は医師との相談を通じて決定され、必要時には専門家(生殖医療専門医)に紹介します。

一般的な不妊症治療を説明します。

薬物療法
(クロミッド、フェマーラなど)

不妊症の主要な原因の一つは排卵障害です。これらの薬物は排卵を促進するために使用されます。特に多嚢胞性卵巣症候群などに有効です。

性交のタイミング指導

妊娠を望む場合、排卵期に性交することが重要です。通常、排卵の前後数日間に性交することが推奨されます。個々の女性によって周期が異なるため、排卵のタイミングを正確に把握するために、経腟超音波による卵胞発育観察、排卵予測キットや基礎体温チャートなどを使用することが役立ちます。

人工授精(AIH)

精子を子宮頸管・内腔に注入します。精子の質がやや低い場合や、原因がはっきりしない不妊症の場合に試されることがあります。

体外受精(IVF)

卵子と精子を体外で受精させ、受精卵を子宮にもどします。IVFは多くの不妊症の原因に対して有効であり、高度な技術を必要とします。

手術的治療

不妊症の原因となる婦人科疾患に対して、卵巣腫瘍・嚢胞の摘出、子宮内膜ポリープや子宮筋腫の摘出など、手術が必要となる場合があります。

ライフスタイルの変更

健康的な生活習慣、栄養摂取、ストレス管理、禁煙、適切な運動などが不妊症治療にプラスの影響を与えることがあります。

不妊症の治療計画はカップルごとに異なり、必要に応じて複数の治療法を組み合わせることがあります。治療の成功は多くの要因に依存し、時間がかかることもあります。不妊症治療は専門家(生殖医療専門医)の指導のもとで行われるべきであり、継続的なサポートとコミュニケーションが大切です。

参考

骨盤内検査(内診・腹部触診)
目的

腹部、外陰、腟、子宮、卵巣の健康状態を確認します。

内容

腹部を触診にて診察し、緊急対応の必要がないか確認します。外陰部の状態を観察し、次に腟鏡を用いて腟内と子宮頸部を調べ、クラミジア感染などの検査を行います。少し違和感はあるかもしれませんが、通常、痛みは伴いません。

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超音波検査(エコー検査とも呼ばれます)
目的

内診ではわからない、子宮内部や卵巣の形態上の異常がないか確認します。子宮や卵巣の異常、卵巣の腫れや嚢胞、子宮内膜の状態などを評価します。

内容

腹部また腟内に超音波プローブをあて、内部の画像を取得します。

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子宮頸がん・体がん検査(スメア)
目的

子宮頸部の細胞を採取し、異常がないか調べます。万が一悪性腫瘍(がん)がみつかった場合には、悪性腫瘍の治療が優先されます。

内容

子宮頸部から細胞をブラシで軽くこすり取り、顕微鏡で検査します。悪性腫瘍(がん)の有無を確認します。年齢や症状よっては、体がん検査も追加します。

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患者さんへのアドバイス

検査前には、医師に現在の症状や既往歴、服用中の薬などについて詳しく伝えてください。

検査中はリラックスし、不安や疑問があれば、遠慮なく医師や看護師に相談してください。

検査結果に基づいて、医師から提案される治療法や、次のステップについての説明を受けます。

検査結果の理解や治療選択においては、疑問や懸念を医師と共有し、納得のいく形で進めることが重要です。

初診の方へ

ご来院頂く前にご自身の症状に合わせてご一読ください。