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診療科・部門

ウイメンズセンター婦人科

がん検診希望で受診された方の検査とその目的

がん検診とは?

がん検診とは、がんを早期に発見するための医療検査のことです。がんが小さい段階や前がん状態で発見されると、治療がより効果的であり、治療の選択肢も広がります。がん検診は、主に症状がまだ現れていない健康な人を対象に行われます。

早期発見

がんが発症しても初期段階では症状がないことが多いため、検診によって早期に発見し、早期治療を可能にします。

予防

前がん状態や初期のがんを見つけることで、がんが進行するのを防ぎます。

がん検診の重要性

早期発見されたがんは治療成功率が高く、生存率も大幅に向上します。また早期発見によって治療方法が簡易なものになり、身体的および経済的負担も軽減されることがあります。

婦人科がん

婦人科がんは、女性の生殖器官に発生するがんの総称です。

主に以下の種類があります。

子宮頸がん

子宮の入口にあたる子宮頸部に発生するがんで、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が主な原因とされています。

子宮体がん

子宮の主体部分である子宮体部に発生するがんで、主に更年期以降に多いとされています。

卵巣がん

卵巣に発生するがんで、初期症状が少ないため発見が遅れがちです。

卵管がん

卵管に発生するがんで、非常にまれです。

外陰がん

外陰部(外性器)に発生するがんで、高齢に多いとされています。

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婦人科がん検診で行われる検査

骨盤内検査(内診)
目的

外陰、腟、子宮、卵巣の健康状態を確認します。

内容

腟鏡を用いて腟内と子宮頸部を調べます。少し違和感はあるかもしれませんが、通常、痛みは伴いません。若年の方(性交渉歴のない方)は、直腸から診察を行うこともあります。子宮の周囲に炎症や癒着を有するような場合には、内診によって痛みを覚えることがあるために、婦人科では重要な検査となります。

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子宮頸がん・体がん検査(細胞診)
目的

子宮頸部・体部の細胞を採取し、異常がないか調べます。

内容

子宮頸部・体部から細胞をブラシで軽くこすり取り、顕微鏡で検査します。悪性腫瘍(がん)の有無を確認します。

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超音波検査(エコー検査とも呼ばれます)
目的

内診ではわからない、子宮内部や卵巣の形態上の異常がないか確認します。子宮や卵巣の異常、卵巣の腫れや嚢胞、子宮内膜の状態などを評価します。

内容

腹部また腟内に超音波プローブをあて、内部の画像を取得します。若年の方(性交渉歴のない方)は、直腸から超音波検査を行うこともあります。

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血液検査
目的

腫瘍マーカー、その他の健康状態(貧血、肝機能など)を評価します。

内容

腕から血液を採取し、さまざまな検査を行います。

参考 血液腫瘍マーカー(重要)

血液腫瘍マーカーは、がん細胞やがんと関連する体の反応によって産生される物質です。これらは血液検査を通じて測定され、がんの診断や進行状況のモニタリング、治療効果の評価に用いられます。

婦人科でよく用いられるマーカーは、CA-125(主に卵巣がんに使用)です。

がん検診における血液腫瘍マーカーの使用は、がんの診断プロセスの一部として使用されることがあります。特定のがんのリスクが高い患者さんのモニタリングや、治療後の再発の発見に役立つことがあります。

腫瘍マーカーの問題点には、以下のようなことがあります。

限定的な感度と特異度:

すべてのがん患者さんでこれらのマーカーが高値を示すわけではなく、がんではない(例、子宮内膜症、チョコレート嚢胞)患者さんでも高値を示すことがあります。

偽陽性と偽陰性:

健康な人で高値が見られること(偽陽性)や、がん患者さんで正常範囲内の値が見られること(偽陰性)があります。

早期発見への限界:

多くの腫瘍マーカーは、がんが進行した段階でのみ高値(正常値以上)を示すことが多く、早期発見にはあまり役立ちません。

特定のがん種にのみ有効:

すべてのがん種で有効なわけではなく、特定のがんに対してのみ有用です。

結論として、血液腫瘍マーカーは、がん診断の一環として重要な役割を果たすといえますが、限界も明らかです。これらは通常、他の診断手段と組み合わせて使用され、医師の臨床判断に基づいて解釈されます。単独でがん検診ツールとして使用するには不十分であり、慎重な解釈が必要です。

参考 MRI検査
目的

超音波検査以上に、子宮や卵巣の形態を詳細に調べたい場合に行います。

内容

約20分かかります。磁気を用いた画像検査です。

  • 検査の前に、過去の造影剤アレルギー反応の有無、妊娠の可能性について医師に伝えてください。
  • 性交渉歴がない方や、内診がどうしても苦手な方は、MRI検査をすることがあります。また超音波検査で子宮内膜症性嚢胞(チョコレート嚢胞)、子宮腺筋症が疑われた時にも、診断の確定のために行います。
  • ペースメーカーを装着されている方、手術を受けて金属・クリップなどが体内に残っている方は、MRI検査を受けることができない場合があります。検査前に医師にご相談ください。

がん検診の問題点について

がん検診は、がんの早期発見や予防に重要な役割を果たしますが、いくつかの問題点も存在します。これらの問題点を理解することも重要です。

過剰診断
定義

がん検診によって、生涯にわたって症状を引き起こさない可能性のある疾患が発見されることがあります。

問題

過剰診断により、不要な治療や精神的ストレス、医療コストの増加につながることがあります。

偽陽性と偽陰性
偽陽性

検診でがんがあると誤って判断されること。これにより、不要な追加検査や治療、精神的不安が生じることがあります。

偽陰性

実際にはがんがあるにも関わらず、検診結果が陰性となること。これにより、適切な治療の機会を逃す可能性があります。何らかの症状がある時には、必ず再受診することが大切です。

スクリーニング間隔と年齢制限
問題

どのくらいの頻度で検診を受けるべきか、また、どの年齢からどの年齢まで検診を受けるべきかについてのガイドラインが一貫しておらず、コンセンサスが一致していないことがあります。

検診方法の限界
問題:

すべてのがん検診方法が完璧であるわけではなく、一部のがん種には効果的なスクリーニング手法が存在しないことがあります(例:婦人科がんでは卵巣がん)。

初診の方へ

ご来院頂く前にご自身の症状に合わせてご一読ください。