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診療科・部門

耳鼻咽喉科

耳鼻咽喉科で扱っている病気について

耳の病気

中等度~重度難聴

当科では両耳40dB以上の中等度~高度難聴の方には補聴器装用を勧めております。

毎週木曜日が補聴器外来(予約)となっております。

また、両耳の聴力が70dB以上でかつ補聴器の効果が得られない高度の感音難聴の方は人工内耳埋め込み術が適応となります。一度外来受診の上ご相談ください。

真珠腫性中耳炎

慢性中耳炎と異なり、骨が破壊されるのが特徴的です。耳(鼓室)の中には、耳小骨、半規管、蝸牛、顔面神経など重要な組織が多く入っており、上方には頭蓋底があります。

真珠腫は時に何年もかけてゆっくりと進行したり、また炎症を契機に急速に進行したりする怖い病気ですが、 骨が破壊されると、聞こえが悪くなったり、めまいを起こしたり、顔の動きが悪くなったり、慢性的な耳漏がでたり、 頭蓋内まで進むと脳膿瘍等の重篤な病気を引き起こすことがあります。

小児でも難聴を伴う先天性真珠腫が発見されることもあります。

手術(鼓室形成術)により真珠腫の除去および耳小骨の再建による聴力改善が必要となります。

真珠腫[写真]
真珠腫[写真]
真珠腫[写真]
真珠腫[写真]
真珠腫[写真]

慢性中耳炎

中耳炎を繰り返していると、鼓膜に穿孔が生じ、聴力が低下します。

慢性的な耳漏を停止し、聴力を改善するためには手術が必要となります。

当科では全身麻酔下に鼓室形成術、 鼓膜形成術を行っております。

真珠腫[写真]
真珠腫[写真]
真珠腫[写真]

耳小骨離断・耳小骨奇形

鼓膜から内耳へ音を伝える耳小骨はツチ骨・キヌタ骨・アブミ骨と3つの骨が連鎖していますが、 外傷により耳小骨の連鎖が離断し、聞こえが悪くなることがあります。

また、幼少期より耳小骨の奇形があり、同様に聞こえが悪くなっている可能性があります。

当科では、聴力検査や3D-CTを行って診断を行い、聴力改善手術を行っております。

耳硬化症

鼓膜から内耳へ音を伝える耳小骨はツチ骨・キヌタ骨・アブミ骨と3つの骨が連鎖していますが、 最後に内耳(蝸牛)についている部分が硬くなって、音が伝わりにくくなる病気です。

徐々に難聴が進行し、聴力検査では2000Hzの骨導聴力が低下するのが特徴的です。

当科では全身麻酔下でアブミ骨手術を行っております。

外リンパ瘻

内耳(蝸牛や半規管)には膿脊髄液とつながっているリンパ液で満たされており、聞こえや平衡機能に重要な役割を果たしていますが、頭部外傷や耳かきによる中耳外傷、強い鼻かみ、いきみ、ダイビングによる急激な圧変化などによりリンパ液が漏出してしまうと、 急激な難聴やめまいを引き起こすことがあります。

リンパ液が漏出し続けると難聴が進行し、めまいが継続することがあります。中耳の奇形等により慢性的な外リンパ液の漏出により聴力の変動やめまいを繰り返すことがあります。

聴力検査や眼振検査、聴器CT検査等により診断を行い、まずは入院安静治療が必要となりますが、最終的な診断には試験的鼓室開放術によって外リンパの漏出を確認する必要があります。

滲出性中耳炎

風邪をひいたあと耳が聞こえにくくなった場合には、鼓膜の奥の鼓室というところに水がたまっている可能性があります。

薬や通気による治療でなかなか改善しない場合や、鼓膜切開を何度も繰り返している場合は、鼓膜チューブを留置して鼓室の換気をよくする必要があります。

当科では、日帰りでの鼓膜チューブ留置術を行っております。

小児の場合は全身麻酔下にて手術となりますが、日帰り入院での治療を行っております。

真珠腫[写真]

顔面神経麻痺

顔面神経は顔の表情筋をつかさどり、味覚や涙腺、唾液の分泌に係る神経で、鼓室内と耳下腺内を通って顔の表面に枝がでています。 顔面神経が麻痺すると片方の顔が動きにくくなります。

Bell麻痺とRamsay Hunt症候群があります。前者は原因不明ですが、単純ヘルペスなどのウイルス感染が考えられます。 後者は水痘・帯状疱疹ウイルス感染が原因とされ、耳介部の発赤・発疹、三叉神経痛を伴います。どちらも顔面神経が浮腫をおこし、血行が途絶えることとで神経麻痺が悪化していくため、早急な治療が必要となります。

当科では、顔面神経麻痺スコア評価を行い、入院によるステロイド治療を行っております。 発症10日目前後には誘発筋電図検査で神経損傷の評価を行い、神経ダメージの大きい方には手術的治療(顔面神経減荷術)を行っております。

サーファーズイヤー(外耳道外骨腫)

サーフィンやヨット、潜水など長年冷水の刺激を外耳に受けていると、外耳道の骨が大きくなって外耳を狭窄してしまうことがあります。

外耳炎を起こしやすくなったり、外耳道狭窄が強くなり閉鎖してしまうと難聴の原因となります。冷水刺激を減らすと進行が止まります。

強度の外耳道狭窄や外耳道閉塞を起こしている場合には、当科では手術治療を行っております。

突発性難聴

突然片方の耳が聞こえなくなったといった症状の場合は、突発性難聴が疑われます。

突発性難聴の場合は、早め(1週間以内)の治療開始が必要です。

当科では、約1週間の入院によるステロイド・血管拡張剤の点滴治療、高濃度酸素吸入による治療を行っています。

メニエール病

めまい、耳鳴り、難聴を繰り返している方はメニエール病が疑われます。

内耳および半規管内のリンパ液のバランスの悪さが原因とされています。

当科では、聴力検査、頭部MRI検査、眼振検査等により診断を行い治療を行っています。

眩暈症(めまい)

めまいには様々なタイプがありますが、大きく分けてvertigo(回転性めまい)とdizziness(浮動性めまい)に分けられます。後者は脳疾患による可能性が高く、前者の回転性めまいが耳鼻科の典型的なめまいといわれています。

メニエール病以外にも、良性発作性頭位めまい症(頭を動かしたときに悪化するめまい)、椎骨脳底動脈循環不全、前庭神経炎、 真珠腫性中耳炎による半規管障害等があります。

当科では、聴力検査、重心動揺検査、頭部MRI、中耳CT、眼振検査等により診断を行い、治療を行っております。

鼻の病気

副鼻腔炎

慢性的な鼻詰まり、鼻水、後鼻漏(鼻水がのどに流れる)、鼻がにおう、頭痛、しめった咳、 嗅覚低下等の原因として副鼻腔炎が考えられます。以前は蓄膿症と呼ばれていましたが、 現在では副鼻腔粘膜の炎症も含めて副鼻腔炎と呼ばれています。

副鼻腔は上顎洞、篩骨洞、前頭洞、蝶形骨洞の4箇所あり、全て鼻腔とつながっていますが、 それらの粘膜が炎症を起こしたり、膿がたまったりして、副鼻腔炎を起こすと、これらの症状が起こります。

急性副鼻腔炎は抗生剤等の内服により改善しますが、慢性的に症状が続く場合は慢性副鼻腔炎になっている可能性があります。クラリスロマイシンの長期投与(約3ヶ月)により改善することが多いですが、 改善しない場合は内視鏡下副鼻腔手術(ESS)を行い症状を改善することができます。

気管支喘息をお持ちの方は副鼻腔炎を伴う事が多く、慢性の後鼻漏による刺激や鼻閉による口呼吸で喘息が悪化したりすることがあります。これらは好酸球性副鼻腔炎と呼ばれ、嗅覚が低下し、再発しやすい事も特徴的です。

内服治療に抵抗性であり、内視鏡下副鼻腔手術(ESS)で炎症粘膜を除去することにより症状の改善が期待できます。

アレルギー性鼻炎

主にくしゃみ・鼻水・鼻詰まりの3つの症状を伴います。春のスギ花粉症や秋のブタクサによる花粉症等が典型的ですが、ハウスダストやダニ等にアレルギーがあると、通年性にアレルギー性鼻炎の症状を起こすこともあります。

抗アレルギー剤や点鼻による治療が一般的ですが、当院ではアレルギー血液検査を行って、各人のアレルギー物質を特定しておくことで事前の対策(初期投与)をおすすめしております。

また、C02レーザーによる鼻粘膜焼灼術(日帰り治療)を合わせることで、更に効果が期待できます。通年性鼻炎の方には、入院全身麻酔による 粘膜下下鼻甲介骨切除術をおすすめしております。

鼻中隔彎曲症

鼻の穴は、鼻中隔により左右に仕切られていますが、これを構成する鼻中隔軟骨が左右どちらかに彎曲していると、 慢性的な鼻の通りの悪さの原因となります。

アレルギー性鼻炎を伴うと更に症状が悪化します。

鼻中隔矯正術により半永久的に鼻の通りを改善させることができます。

のどの病気

アデノイド増殖症・扁桃肥大症

小児の方で、いつも口をあけて寝ていたり、いびきがひどい、息が止まっている、滲出性中耳炎を繰り返している場合は、 アデノイド増殖症が疑われます。

アデノイドとは、鼻の奥でのどの一番上にある扁桃組織の一部です。5歳くらいがピークとなりますが、肥大が強いと慢性的な鼻づまりの原因となります。

手術でアデノイド切除術と口蓋扁桃摘出術を行うことで、これらの症状を改善することができます。

声帯ポリープ

声枯れが治らない場合は、声帯ポリープやポリープ様声帯が疑われます。

飲み薬や吸入薬による治療で改善しない場合は、音声の改善のための手術(ラリンゴマイクロサージェリー)を行っております。

急性扁桃炎・扁桃周囲膿瘍

のどが痛い、発熱が続く、物が飲み込みにくい、口が開きにくい等の症状が現れた場合は、急性扁桃炎が疑われます。

急性扁桃炎が悪化すると扁桃腺の裏側に膿がたまって、扁桃周囲膿瘍になる場合があります。

当科では入院での抗生剤点滴治療および切開排膿術を行い早期改善を目指しております。

急性喉頭蓋炎

急にのどが痛くなった、息苦しくなってきた、物が飲み込みにくい等の症状が現れた場合は、急性喉頭蓋の可能性があります。

喉頭蓋はのどの奥の気管と食道の分かれ道にあるため口からは見えません。症状が悪化すると呼吸困難が生じる可能性のある危険な病気です。

当科では、喉頭ファイバー検査により診断を行い、炎症が強い場合は入院での点滴治療を行っております。

慢性扁桃炎・習慣性扁桃炎

1年間に何回も扁桃炎を繰り返していたり、扁桃周囲膿瘍にかかったことの有る方は、扁桃が正常な機能を果たしていないため、 炎今後も扁桃炎を繰り返し、重症化していく可能性があります。

当科では、小児から成人の慢性扁桃炎・習慣性扁桃炎に対して、扁桃摘出術を行っております。

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群

寝ているときのいびきや呼吸停止(無呼吸)、日中の眠気、慢性的な頭痛等は、睡眠時無呼吸症候群が疑われます。

当科では、喉頭ファイバー検査やMRI検査による気道狭窄を引き起こす鼻咽腔疾患の確認を行い、 自宅で行う簡易無呼吸検査および週末1泊入院でのPSG(終夜睡眠ポリグラフ)検査を行い、 検査結果によりマウスピース治療やCPAP(経鼻的持続気圧陽圧療法)による治療を行っております。

睡眠時無呼吸症候群が鼻の病気(慢性副鼻腔炎や鼻中隔彎曲症)や扁桃肥大により悪化している場合は、手術治療を行っております。