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診療科・部門

ウイメンズセンター婦人科

不正出血のための検査とその目的

不正出血の原因を特定するために、婦人科医はいくつかの検査を行う可能性があります。
以下は、一般的に行われる検査と、その目的についての説明です。

骨盤内検査(内診)
目的

どこからの出血なのか確認します。外陰、腟、子宮、卵巣、その他の生殖器の健康状態を確認します。

内容

腟鏡を用いて腟内と子宮頸部を調べます。少し違和感はあるかもしれませんが、通常、痛みは伴いません。

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子宮頸がん・体がん検査(スメア)
目的

子宮頸部・子宮体部の細胞を採取し、異常がないか調べます。

内容

子宮頸部・体部の細胞をブラシで軽くこすり取り、顕微鏡で検査します。悪性腫瘍(がん)からの出血でないことを確認します。異常をみとめた場合には、後述の組織診検査へすすみます。

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超音波検査(エコー検査とも呼ばれます)
目的

内診ではわからない、子宮の内部や卵巣の形態上の異常がないか確認します。子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣腫瘍の有無などの診断に役立ちます。

内容

腹部または腟内に超音波プローブをあて、内部の画像を取得します。

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MRI検査
目的

超音波検査以上に、子宮や卵巣の形態を詳細に調べたい場合に行います。

内容

約20分かかります。磁気を用いた画像検査です。

検査の前に、過去の造影剤アレルギー反応の有無、妊娠の可能性について医師に伝えてください。

  • 性交渉歴がない方や、内診がどうしても苦手な方は、MRI検査をすることがありますが、あくまで影絵的な検査で、出血の原因が悪い病気かどうかを確定することはできません。悪性が疑われる場合には、細胞診や組織診検査が必要になります。
  • ペースメーカーを装着されている方、手術を受けて金属・クリップなどが体内に残っている方は、MRI検査を受けることができない場合があります。検査前に医師にご相談ください。
血液検査
目的

ホルモンレベルの異常、感染症、その他の健康状態(貧血、肝機能など)の評価を行います。

内容

腕から血液を採取し、さまざまな検査を行います。

組織診検査(バイオプシー)
目的

細胞診で異常があった場合に、がん(悪性)かどうかを確定させる目的で行います。子宮頸部・子宮内膜などの組織サンプルを取り、異常細胞の有無を確認します。

内容

必要に応じて行われ、子宮頸部や子宮内膜などから小さな組織片を採取します。

検査の重要性

これらの検査は、不正出血の原因を正確に診断し、適切な治療計画を立てるために重要です。また検査は、個々の症状や医師の判断に基づいて行われますので、すべての検査が必ずしも行われるわけではありません。

不正出血の一般的な原因

ホルモンの変動

特に、思春期や更年期にはホルモンバランスの変動により不正出血が起こりやすくなります。その他に排卵期の出血、老年期の萎縮性腟炎による出血などがあります。

妊娠関連

妊娠初期の出血や、稀に子宮外妊娠/異所性妊娠などが原因で不正出血が起こることがあります。妊娠反応が陽性の場合には、産科を取り扱っている湘南東部病院に紹介します

子宮や卵巣の疾患

ポリープ、子宮筋腫、子宮頸がん、子宮体がんなどが原因で不正出血が起こることがあります。

感染症

性感染症などが原因で不正出血が起こることがあります。

その他

外傷、ストレスによるホルモンの変調や体重の大幅な変動、ある種の薬剤など、さまざまな要因が原因で不正出血が起こることがあります。

一番大切なことは、がんなどの悪性腫瘍から出血していないかを見落とさないことです。

患者さんへのアドバイス

検査前には医師に現在の症状や既往歴、服用中の薬などについて詳しく伝えてください。

検査中はリラックスし、不安や疑問があれば遠慮なく医師や看護師に相談してください。

検査結果に基づいて医師から提案される治療法や、次のステップについての説明を受けます。検査結果の理解や治療選択においては、疑問や懸念を医師と共有し、納得のいく形で進めることが重要です。

検査後のフォローアップ

結果の確認

検査結果は通常、数日から2-3週間で判明します。結果に基づいて必要な治療やフォローアップが行われます。

治療計画

結果によっては、薬物療法、手術、ライフスタイルの変更など、さまざまな治療オプションが提案されることがあります。

定期的なフォローアップ:

特に慢性的な疾患や継続的な治療が必要な場合、定期的な診察が必要になることがあります。

不安や心配に対して

不正出血の原因は多岐にわたり、必ずしもすべてが悪性腫瘍(がん)由来とはかぎりません(深刻なものではありません)。しかし、定期的な健康チェックと適切な検査を通じて、病気の早期発見・早期治療に繋げることができます。患者さん自身の健康に対する意識と医師とのコミュニケーションが、最善の結果をもたらす鍵です。

初診の方へ

ご来院頂く前にご自身の症状に合わせてご一読ください。