外来受診専用の受診予約専用ダイヤルを開設!

診療科・部門

ウイメンズセンター婦人科

帯下異常のための検査とその目的

帯下異常の原因を特定するために、婦人科医はいくつかの検査を行う可能性があります。
以下は、一般的に行われる検査と、その目的についての説明です。

帯下(おりもの)とは?

帯下(帯下物や腟分泌物とも呼ばれます)は、女性の生殖器から排出される液体や分泌物を指します。一般的に「おりもの」とよばれます。帯下の性状、色、臭い、量などは個人によって差があり、一定の変動が正常であることもあります(例、排卵期に透明な糸を引くような帯下が増える)。

帯下の症状とその原因

正常な帯下の特徴

通常は、透明または白色です。

臭い

軽度の匂いがすることはありますが、不快な臭いがすることはありません。下着についた帯下は特に問題がなくても、ある程度時間がたつと気になる臭いがするのは当然です。

月経周期に応じて変化することがあります。

異常な帯下の症状とその原因

異常な色や臭い
原因

細菌感染症、真菌感染症(カンジダ感染症)、性感染症(クラミジアや淋菌など)が原因となることがあります。また、子宮内膜症や子宮内膜ポリープなどの子宮内の問題も、異常な帯下を引き起こす可能性があります。

異常な量や変化
原因

ホルモンバランスの変化、ストレス、妊娠、出産、授乳、避妊方法の変更、子宮内避妊器具(IUD)の使用、子宮内膜ポリープ、子宮筋腫、卵巣嚢腫、がんなどが原因となることがあります。

かゆみや痛み
原因

真菌感染症(カンジダ感染症)、細菌感染症、性感染症(クラミジアや淋菌など)、アレルギー反応、皮膚の刺激、湿疹などがかゆみや痛みの原因となることがあります。

血の混じった帯下
原因

月経中の帯下としては正常ですが、月経ではない時期に血が混じる場合は、子宮内の問題(子宮内膜ポリープ、子宮筋腫、がんなど)や腟からの異常出血が考えられます。

骨盤内検査(内診)
目的

外陰、腟、子宮、卵巣の健康状態を確認します。

内容

腟鏡を用いて腟内と子宮頸部を調べます。少し違和感はあるかもしれませんが、通常、痛みは伴いません。若年の方(性交渉歴のない方)は、直腸から診察を行うこともあります。子宮の周囲に炎症や癒着を有するような場合には、内診によって痛みを覚えることがあるために、婦人科では重要な検査となります。

[写真]
[図]
[図]
腟分泌物の顕微鏡検査

内診時に、腟内から分泌物のサンプルを採取します。スライドにサンプルを塗布し、顕微鏡を使用して分泌物を詳細に観察します。細菌、真菌、トリコモナス、淋菌などの有無を確認します。

[イラスト]
腟分泌物の培養検査

内診時に、腟内から分泌物のサンプルを採取します。サンプルは特別な培地で培養されます。この培地には栄養が含まれており、温度を制御された場所で数日から数週間放置します。この間に微生物(細菌、淋菌など)が培地で成長し増殖します。培養容器を詳しく観察して、細菌などが増殖している場合には、その種類や数量を特定します。医師はこれらの結果を評価し、異常な細菌などの増殖や感染症の有無を診断します。

[イラスト]
腟分泌物のその他の検査

クラミジアや淋菌感染症を疑う場合は、内診時に採取した腟分泌物を核酸増幅法(PCR検査など)で、抗原(クラミジアや淋菌の有無を調べる)を検出する検査を行うことがあります。

子宮頸がん・体がん検査(スメア)
目的

子宮頸部の細胞を採取し、異常がないか調べます。

内容

子宮頸部から細胞をブラシで軽くこすり取り、顕微鏡で検査します。悪性腫瘍(がん)の有無を確認します。年齢や症状、ホルモン検査結果によっては、体がん検査も追加します。

[図]
超音波検査(エコー検査とも呼ばれます)
目的

内診ではわからない、子宮内部や卵巣の形態上の異常がないか確認します。子宮や卵巣の異常、卵巣の腫れや嚢胞、子宮内膜の状態などを評価します。

[図]
内容

腹部また腟内に超音波プローブをあて、内部の画像を取得します。若年の方(性交渉歴のない方)は、直腸から超音波検査を行うこともあります。

血液検査(必要時)
目的

帯下異常が感染症に関連している可能性がある場合、性感染症検査が行われることがあります。

検査の重要性

これらの検査や情報収集は、あなたの帯下異常の原因を特定し、最適な治療プランを立てるために重要です。医師と相談協力し、質問や不安点があれば遠慮なく聞いてください。

患者さんへのアドバイス

検査前には、医師に現在の症状や既往歴、服用中の薬などについて詳しく伝えてください。検査中はリラックスし、不安や疑問があれば、遠慮なく医師や看護師に相談してください。検査結果に基づいて、医師から提案される治療法や、次のステップについての説明を受けます。検査結果の理解や治療選択においては、疑問や懸念を医師と共有し、納得のいく形で進めることが重要です。

検査後のフォローアップ

結果の確認

検査結果は通常、当日から2-3週間で判明します。結果に基づいて、必要な治療やフォローアップが行われます。

治療計画

結果によっては、薬物療法、ライフスタイルの変更など、さまざまな治療オプションが提案されることがあります。

定期的なフォローアップ

特に慢性的な疾患や継続的な治療が必要な場合、定期的な診察が必要になることがあります。

不安や心配に対して

帯下の原因は多岐にわたります。必ずしも深刻なものばかりではありませんが、女性の快適な日常生活やQOLの維持には大きな影響を与えます。定期的な健康チェックと適切な検査を通じて、適切な治療に繋げることができます。患者さん自身の健康に対する意識と医師とのコミュニケーションが、最善の結果をもたらす鍵です。

初診の方へ

ご来院頂く前にご自身の症状に合わせてご一読ください。