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ウイメンズセンター婦人科

外陰部の痛み・かゆみ・できもののための検査とその目的

外陰部の痛み・かゆみ・できものの原因を特定するために、婦人科医はいくつかの検査を行う可能性があります。
以下は、一般的に行われる検査と、その目的についての説明です。

外陰部の痛み・かゆみ・できものとその原因

真菌感染症

カンジダや他の真菌による感染症が外陰部のかゆみを引き起こすことがあります。

性感染症
(STI; Sexually-transmitted Infections)

性的接触を介して感染する可能性がある感染症、例えば、クラミジア、淋病、ヘルペス、尖圭コンジローマ、梅毒などが外陰部のかゆみや痛みの原因になります。

細菌感染症

細菌感染症により外陰部の痛みやかゆみが起こることがあります。例えば、細菌性腟症や尿道炎があります。

皮膚疾患

皮膚疾患や皮膚のアレルギー反応が外陰部のかゆみや痛みを引き起こすことがあります。例えば、接触皮膚炎や湿疹があります。生理用ナプキンやおりものシートなどでも起こります。

腫瘍や疾患

外陰部にできものや腫れがある場合、良性腫瘍、悪性腫瘍、またはその他の疾患が原因である可能性があります。例えば、性器イボ(尖圭コンジローマ)、バルトリン嚢腫(膿瘍)などがあります。

ホルモン関連の疾患

ホルモンバランスの変化、特に更年期におけるエストロゲンの減少は、外陰部の不快感を引き起こすことがあります。

ストレス

ストレスによって、外陰部の不快感やかゆみが生じることがあります。

外傷

外陰部に外傷を受けた場合、痛みやかゆみが生じることがあります。

外陰部の痛み・かゆみ・できもので行われる検査

骨盤内検査(内診)
目的

外陰、腟、子宮、卵巣の健康状態を確認します。

内容

外陰部の状態を観察し、次に腟鏡を用いて腟内と子宮頸部を調べます。少し違和感はあるかもしれませんが、通常、痛みは伴いません。

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腟分泌物の顕微鏡検査

内診時に、腟内から分泌物のサンプルを採取します。スライドにサンプルを塗布し、顕微鏡を使用して分泌物を詳細に観察します。細菌、真菌、トリコモナス、淋菌などの有無を確認します。

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腟分泌物の培養検査

内診時に、腟内から分泌物のサンプルを採取します。サンプルは特別な培地で培養されます。この培地には栄養が含まれており、温度を制御された場所で数日から数週間放置します。この間に微生物(細菌、淋菌など)が培地で成長し増殖します。培養容器を詳しく観察して、細菌などが増殖している場合には、その種類や数量を特定します。医師はこれらの結果を評価し、異常な細菌などの増殖や感染症の有無を診断します。

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腟分泌物のその他の検査

クラミジアや淋菌感染症を疑う場合は、内診時に採取した腟分泌物を核酸増幅法(PCR検査など)で、抗原(クラミジアや淋菌の有無を調べる)を検出する検査を行うことがあります。

子宮頸がん・体がん検査(スメア)
目的

子宮頸部の細胞を採取し、異常がないか調べます。

内容

子宮頸部から細胞をブラシで軽くこすり取り、顕微鏡で検査します。悪性腫瘍(がん)の有無を確認します。年齢や症状、ホルモン検査結果によっては、体がん検査も追加します。

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血液・尿検査、生検(必要時)
目的

症状が感染症に関連している可能性がある場合、血液や尿検査が行われることがあります。
また異常な組織や腫瘍を詳細に調べるために、外陰部の一部から生検を行うことがあります。

超音波検査(エコー検査とも呼ばれます)
目的

内診ではわからない、子宮内部や卵巣の形態上の異常がないか確認します。子宮や卵巣の異常、卵巣の腫れや嚢胞、子宮内膜の状態などを評価します。

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内容

腹部また腟内に超音波プローブをあて、内部の画像を取得します。若年の方(性交渉歴のない方)は、直腸から超音波検査を行うこともあります。

検査の重要性

これらの検査や情報収集は、外陰部の痛み・かゆみ・できものの原因を特定し、最適な治療プランを立てるために重要です。医師と相談協力し、質問や不安点があれば遠慮なく聞いてください。

患者さんへのアドバイス

検査前には、医師に現在の症状や既往歴、服用中の薬などについて詳しく伝えてください。検査中はリラックスし、不安や疑問があれば、遠慮なく医師や看護師に相談してください。検査結果に基づいて、医師から提案される治療法や、次のステップについての説明を受けます。検査結果の理解や治療選択においては、疑問や懸念を医師と共有し、納得のいく形で進めることが重要です。

検査後のフォローアップ

結果の確認

検査結果は通常、当日から2-3週間で判明します。結果に基づいて、必要な治療やフォローアップが行われます。

治療計画

結果によっては、薬物療法、ライフスタイルの変更など、さまざまな治療オプションが提案されることがあります。

定期的なフォローアップ

特に慢性的な疾患や継続的な治療が必要な場合、定期的な診察が必要になることがあります。

不安や心配に対して

外陰部の痛み・かゆみ・できものの原因は多岐にわたります。必ずしも深刻なものばかりではありませんが、女性の快適な日常生活やQOLの維持には大きな影響を与えます。定期的な健康チェックと適切な検査を通じて、適切な治療に繋げることができます。患者さん自身の健康に対する意識と医師とのコミュニケーションが、最善の結果をもたらす鍵です。

初診の方へ

ご来院頂く前にご自身の症状に合わせてご一読ください。