透析センター
血液透析のあれこれ
シャントって、これからどうなるの?
シャント作成したけど、将来どれくらいもつの?
自分の血管どうしなら、きちんと自己管理ができれば、長くもちます。自分の血管は修復能力がいいからです。
しかし、糖尿病の管理が不十分だったり、高脂血症があったり、高血圧の管理が不十分だと、血管がすぐに傷みます。
そういう方は、すぐにシャントトラブルにまきこまれやすいです。
左図は、シャント造影で、吻合部近傍に狭窄を認めたもの、右図は血管が瘤化したものです。
中には人工血管でシャント造設している方もいらっしゃいます。
人工血管は血栓形成しやすいので、抗血小板剤を内服されたほうがいいかもしれません。
シャントトラブルは何も狭窄や閉塞だけとは限りません。
たとえば、シャント肢が腫れてくる、手指先が冷たくなったり、痺れたり、色黒くなったり日常生活に支障がでてくる、そういったこともシャントによる弊害なのです。
左図は、スティール症候群(盗血現象)、親指が血流障害で壊死を起こしています。
右図は静脈高血圧症といって、シャント肢が正常より腫れています。いずれもシャントの過剰血流によるものなのです。
>当シャント作成したけど、どうやって管理していくの?
シャントを長もちさせるため、当院でもシャントの観察には注意を払っています。
もちろん日頃は聴診器でシャントの音を確認してもらい、音に変化がないか観察していきます。
シャントに問題がありそうなときは、すぐにシャント造影やシャントエコー検査を施行しています。
シャントの状態を調べています。
右図が、シャント造影という血管造影、左図が当院でのシャントエコー検査の風景です。
造影検査は、造影剤という浸透圧の高い物質なので、血液が薄くなりNaが低くなって血圧低下を引き起こしたり、また薬物アレルギーを引き起こしたりと副作用の発症例が少なからずともあります。
それに比べてエコー検査は、身体に侵襲がないので、最も安全に行える検査であるといえます。
当院では問題がありそうな時はもちろんですが、定期的に透析患者様のシャントの状態をシャントエコー検査して観察しています。
- シャントってこれからどうなるの?
- シャント作成したけど、将来どれくらいもつの?
- シャント作成したけど、どうやって管理していくの?
- シャントが問題起こした!どうしたらいいの?
- あわてないでください! まずはシャントを診察します
- PTAで改善しなかった場合は、外科的処置が適応となります。
- では、自分の血管でシャント造設が難しかったらどうしたらいいのでしょうか?
- 最初に人工血管による内シャント造設について話します。
- 他のトラブルにはどんなのがあるのですか?そしてどんな解決策があるのですか?
- 静脈瘤
- 過剰血流(スティール=盗血現象)
- 過剰血流(静脈高血圧症)
- どうしてもシャントができないときは、どうしたらいいの?
- 動脈の表在化
- 長期留置カテーテル埋込