整形外科
2019年12月に英語論文Arthroscopy Techniques(関節鏡手技)に当院整形外科医師 東山礼治が世界で初めて考案した手術方法(解剖学的足関節鏡視下前距腓靭帯(ATFL)修復術と再建術の併用術 Anatomical Arthroscopic Anterior talofibular ligament Repair and Reconstruction using a free tendon)が掲載されました。
2019年12月に英語論文Arthroscopy Techniques(関節鏡手技)に当院整形外科医師 東山礼治が世界で初めて考案した手術方法(解剖学的足関節鏡視下前距腓靭帯(ATFL)修復術と再建術の併用術 AAARR: Anatomical Arthroscopic Anterior talofibular ligament Repair and Reconstruction using a free tendon)が掲載されました。単なるレムナント(遺残靭帯)の温存ではなく、レムナントに糸もかけて修復し、かつ再建靭帯(グラフト)と同時に緊張をかけて固定します。足首の動きが固くならないよう足首を底屈位(伸ばした姿勢)で固定することが重要です。この手術によって強い靭帯となるだけでなく、固有感覚の回復、靭帯のリモデリングの促進、長期の安定性などが期待されます。
どなたも無料で閲覧可能です。捻挫を繰り返すという症状はもちろんですが、ときどき感じる足首の内側や外側、アキレス腱・踵の近くの後方の痛みは、捻挫の後遺症、不安定性による炎症・インピンジメント症候群のことが多いです。悩まれている方はこの手術で治る可能性があります。当院整形外科までどうぞお越しください。
- ②手術動画へ直接アクセスする場合はこちらです。英語での解説付きです
- https://ars.els-cdn.com/content/image/1-s2.0-S2212628719301847-mmc1.mp4
- ③2019年3月に掲載された前距腓靭帯(ATFL)/踵腓靭帯(CFL)再建術の英語論文・ビデオ付きはこちらです。不安定性の方向・程度・症状や患者様の背景・目標(ニーズ)などに応じて手術方法を適切に使い分けております。こちらも合わせてご覧ください。
- https://www.arthroscopytechniques.org/article/S2212-6287(18)30181-6/fulltext
光栄なことに、以下の論文に本術式(AAARR: 鏡視下ATFL修復&再建術)が引用されております。
2021年10月のスウェーデンのヨーテボリ大学(Szaroら, Gothenburg University)の論文に引用されました(引用文献2番)。イントロダクションのところで「従来の手術方法を改良する、新しい再建術の開発例」として紹介されました。
https://jeo-esska.springeropen.com/articles/10.1186/s40634-021-00406-2
2022年10月に台湾の慈済醫院(Yangら, Taipei Tzu Chi Hospital) の論文に引用されました(引用文献18番)。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC9561677/(どなたも閲覧可能)
2023年11月の中国の深圳大学(Liら, Shenzhen University)の論文に引用されました(引用文献15番)。考察のところで「関節鏡のポータル(小さい皮膚切開)と関節鏡技術を向上させ、副前外側ポータルと足根洞ポータルを作って、足関節外側靱帯再建術の画期的な技術革新(breakthrough)を生んだ。」と紹介されました。
https://www.arthroscopytechniques.org/article/S2212-6287(23)00201-3/fulltext(どなたも閲覧可能)
東山医師からの補足説明です。
「足首が捻挫しやすい理由の一つに正常靭帯の強度の弱さがあります。少しでも強い靭帯にして復帰するためにも、切れて時間経過した靭帯を縫合するだけの術式(縫合術、修復術)よりも腱で新しく置き換える再建術の方が合理的です。AAARRは再建術に修復術の要素を同時に加えた世界でも初めての方法です。
Szaroらの論文では靭帯の太さや長さを報告しております。前距腓靭帯(ATFL)は平均の長さ24.5mm、厚み2.2mm、幅5.0mmとの結果です。私たちの手術方法(AAARR)ではATFLの靭帯を4.5-6mmの厚み・幅で再建しております。正常靭帯より1-3mm厚く・太く再建していますが、手術ビデオを見て頂ければわかるように、距骨や腓骨の骨孔はサイズ上問題なく作成できます。そして正常よりも強い靭帯を作成していますので、安心してスポーツ復帰・日常生活復帰が可能です。」
担当医師紹介
![東山礼治[写真]](/shared/doctor/images/pht_dr091.jpg)
東山 礼治 ひがしやま れいじ |
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整形外科部長 | |
資格・提携 |
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所属学会 |
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医師コメント |
2001年 筑波大学卒、2009年 千葉大学大学院博士課程修了、2011年~ 北里大学整形外科助教 |