整形外科
当院整形外科の東山礼治医師が考案した、新しい足首の捻挫を治す手術手技(ALC-Triangle)がビデオ付きの英語論文に掲載されました。
外側距踵靭帯LTCLを治す手術(再建術)です。インターネットで調べた範囲では世界初の報告となります。どなたでもご覧になれますので、以下のサイトからアクセスして下さい。
個人情報を省いておりますが、実際の手術動画ですので苦手な方は文章だけをご覧下さい。
東山医師からの、追加説明です。
足首の捻挫では重症な場合、足関節だけでなく距踵関節(距骨下関節とも呼ぶ)も損傷し不安定となることがあります。このALC-Triangleという手術では、前距腓靭帯ATFLと踵腓靭帯CFLを再建すると同時に外側距踵靭帯LTCLを合わせて再建します。これにより、足関節とすぐ下にある距踵関節(距骨下関節)の外側がとても安定します。LTCLは全ての人に存在する靭帯ではありませんので、全員に必要な手技ではないかもしれません。しかし踵腓靭帯CFLを再建する際に仕方なく外側距踵靭帯LTCLを切除しないといけない場合があるため、この方法によりその問題が解決します。前距腓靭帯ATFLと外側距踵靭帯LTCLと踵腓靭帯CFLの頭文字を取り、ALC(あるく=歩く)と名付け、さらに再建靭帯は三角形(Triangle)のかたちなので、ALC-Triangle(歩く三角形)と命名しました。「この手術によってしっかり歩ける(走れる)足首になって欲しい」という願いも込めております。この手術方法(鏡視下ATFL/CFL/LTCL再建術)と別ページで紹介している鏡視下ATTL再建術(ARATTL)を併用すると、内側も外側もグラグラにゆるい足首も、とても安定した足首にすることが可能です。スポーツの盛んな湘南、茅ヶ崎エリアだけでなく、世界には多くの患者様が捻挫の後遺症で苦しんでおります。海外の医師や患者様に知って頂くことで、少しでも皆様のお役に立てればと考えております。日本語論文では無料で皆様がご覧になれるものがないため英語であることをご容赦下さい。
名誉なことに、2021年8月にスペインのバルセロナ大学から投稿された、「Current Concepts on Subtalar Instability (距骨下関節不安定症における最新のコンセプト)」というreview(総論・総説)に、この手術方法(ALC-Triangle)が引用されました。
Current Concepts on Subtalar Instability (nih.gov) (どなたも無料で閲覧できる英語論文です。)
こちらの64番目の引用論文が東山医師の術式です。Surgical Treatment(手術療法)のAnatomic Reconstruction(解剖学的再建術)の項目に紹介されております。"Higashiyama et al(64) suggested an arthroscopic reconstruction of the ATFL, the LTCL, and the CFL using a triangle-shaped tendon graft from the gracilis tendon. This is a good salvage technique when there is an LTCL dissection during arthroscopic reconstruction of the ATFL and the CFL."
東山医師は2020年4月より茅ヶ崎駅から歩ける距離にある茅ヶ崎中央病院で診療を開始致しております。どうぞご遠慮なくお問い合わせください。
担当医師紹介
東山 礼治 ひがしやま れいじ |
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整形外科部長 | |
資格・提携 |
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所属学会 |
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医師コメント |
2001年 筑波大学卒、2009年 千葉大学大学院博士課程修了、2011年~ 北里大学整形外科助教 |