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ウイメンズセンター婦人科

閉経関連泌尿生殖器症候群について

日本の女性の尿失禁有病率は25%!

これは、20~64歳の日本の約2,500人の女性を対象にした調査で判明した数字です*1。尿失禁は男性よりも女性に多く、40歳以上、過体重、肥満、経腟分娩、腰痛などが尿失禁と関係しているといわれています。その背景のひとつに、近年、閉経関連泌尿生殖器症候群(genitourinary syndrome of menopause:GSM)という病態が提唱されています。これは、閉経により性ホルモンが低下することで生じる尿路・生殖器の萎縮などの変化およびそれに伴う不快な身体症状や機能障害です。GSMは慢性かつ進行性で、中年以降の女性の約半数が罹患していると報告され、特徴的な症状として、以下のようなものがあります。

  1. ①陰部の乾燥感・不快感
  2. ②尿トラブル(頻尿・尿漏れ・再発性膀胱炎)
  3. ③性交痛などのセックストラブル

この内、頻度が高いとされる②に関連する尿漏れのタイプも様々です。腹圧性尿失禁(重い荷物を持ち上げた時、走ったりジャンプをした時、咳やくしゃみをした時など、お腹に力が入った時に尿が漏れてしまう)、切迫性尿失禁(急に尿がしたくなり、我慢できずに漏れてしまう)、溢流性尿失禁(自分で尿を出したいのに出せない、でも尿が少しずつ漏れ出てしまう)などがあります。泌尿器科で手術することもありますが、①に関連する陰部の違和感(ピンポン玉のようなものをふれる トイレで拭く際何かあたる気がする)を認めた場合には骨盤臓器脱の一種である膀胱瘤や直腸瘤が関係していることがあり、この場合は婦人科手術(腟壁形成術)での対応が可能です。

GSMの予防は外陰・腟の保湿と性交渉の継続、さらに日々の骨盤底筋トレーニングとされます。治療は、ホルモン剤の局所・全身投与(ホルモン補充療法)などの薬物療法、またレーザー照射や手術などの外科的療法も有効です。当院では理学療法士と連携し骨盤底筋トレーニングも行った予防や、腟式手術や腹腔鏡下手術による外科的治療を行っています。多くの方が適切な骨盤底筋トレーニングや医学的治療を受けていないのが現状といわれていますので、何かお困りの際は、お気軽にご相談ください。

 参考文献 *1 Womens Health(2023; 19: 17455057231207754)

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