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診療科・部門

サイバーナイフセンター

脳転移・転移性脳腫瘍について

がん治療では、転移性脳腫瘍(脳転移)が問題になることがあります。

脳転移の病変はさまざまで、病気の大きさや部位、個数などで治療の方針が異なります。そのため患者様それぞれに合わせた治療を検討する必要があります。

個数が少なく摘出可能な部位では手術を行うことが多いです(手術をした場合でも術後にサイバーナイフ治療を再発の予防で行っています)。

手術が難しい場合や複数病変がある場合には、サイバーナイフをはじめとする定位放射線治療が選択肢になります。

さらに多くなると脳全体に放射線を当てる全脳照射を行うこともあります(当院では全脳照射は行なっていません)。

サイバーナイフは定位放射線治療に特化した装置

サイバーナイフには次のような特徴があり特に脳の病変には良い適応と考えます。

  • サイバーナイフは通常の放射線治療と同じように固定具をつけます。さらに治療中も頭蓋骨の動きやズレを細かく検出しながら補正をかけながら当てるため高い治療精度が期待できます。
  • さまざまな角度にアームが動きながら治療をするので、眼球や脳幹など当てたくない臓器を避けた照射方法を設定しやすいです。
  • 当てるビームの太さが細いものも選択できるため、通常の放射線治療装置では難しい小さな病変にも対応しています。

このような特徴を合わせたサイバーナイフでは一般的に病変にあてる放射線の量を高く保ちつつ、周囲のあてたくない脳の実質などにあたる放射線の量を低く抑えることが可能になります。

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複数の病変でも対応

脳の転移ではしばしば複数の病気が見つかることがあります。当院では造影MRIも組み合わせて治療準備を行います。当初見つからなかった小さな病変も見つかる場合があり、併せて早期に治療を行なっています。

病気が複数ある場合でも同時に一連の治療として行います。1日に数カ所同時に治療したり複数の日にまたいで行います。

ただし、個数があまり多くなってくると全脳照射をお勧めすることがあります。個数の具体的な制限は決めていませんが、部位や大きさ、出現する頻度や年齢などさまざまな要因をあわせて検討しますのでまずはご相談ください。

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治療後の経過観察も大切

サイバーナイフ治療は一般的に効果がすぐに現れるものではありません。脳転移の治療の場合、数週間から数ヶ月かけて縮小していくのが観察されます。また、経過観察中に病変が再発してしまったり、新しい病気が見つかってしまうこともあります。その場合は見つかり次第治療を検討いたします。そのためには定期的な経過観察が重要になってきます。

さいごに

進行したがんでも化学療法(抗がん剤)などの進歩もあり、治療を適切に行えば長期間制御できることも見受けられるようになってきました。

しかしながら、脳の病変には化学療法が効きにくいことも多く、全身の治療は制御できていても、脳に新しい病気が見つかってしまうこともあります。そのような時に放射線治療が効果的なことが多いです。

数年前では治療の難しかったがんも、このように化学療法や放射線治療をうまく組み合わせることによって長期に制御できる場合も増えてきていると実感します。

全ての病気が治療可能というわけではありませんが、病状によっては効果的な治療法を提案できるかもしれません。治療法にお悩みの方はセカンドオピニオン外来も承っております。何卒よろしくお願いいたします。

  • *治療の適応、治療方法やスケジュール等は実際の患者様の病状等に合わせて検討いたします。まずはかかりつけ医より作成していただいた紹介状をご準備ください。
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  • 受診の際には紹介状が必要になります。