高次脳機能障害外来
診療内容・特色
脳外傷、脳卒中、脳炎などの各種の脳疾患によって高次脳機能が障害されることがあります。「高次脳機能」とは、言語、行為、認知、記憶、注意、判断といった脳の情報処理機能のことです。これらの障害は失語、注意障害、記憶障害、遂行機能障害、社会的行動障害などとも言われます。
通常、失語症は入院中に診断され、言語療法を受けることになります。失語症以外の障害でも、中等~重症の方は発症・受傷後の回復期リハビリテーションの段階で診断されます。しかし軽症の方は入院生活では問題が表面化せず、障害が見逃される可能性があります。この場合、退院して家庭復帰した後、あるいは復学、復職した後に、「作業に注意・集中できない、すぐ注意が他に逸れてしまう、授業や会議のメモがとれない、新しいことを覚えられない、すべきこと・したことを忘れてしまう、状況に応じて臨機応変な対応ができない、効率的な順番を考えずに思いついた最初のことをしてしまう、問題解決が困難、衝動的になり抑制が効かない、興奮しやすくなった」などの多彩な症状が表れます。もちろんご本人自身がこれらに気づくこともありますが、ご本人にはその自覚がなく、周囲の方が困ってしまうことも少なくありません。
高次脳機能障害は、まず正しく評価・診断することが重要です。その上で対応を検討します。画期的な治療法はないのが現状ですが、状態によっては認知リハビリテーションや薬物療法によって障害を軽減できることがあります。また、生活や就業環境を整備・工夫することで失敗体験を減らすことができます。条件によっては社会福祉制度を利用することも可能です。
当専門外来では、高次脳機能障害でお困りの方を対象に社会生活の質が向上できるよう、アドバイス、生活指導、適応があればリハビリテーションや薬物治療、就学・就労支援を行ってまいります。急性期の病歴が必要ですので、かかりつけ医または急性期に治療を受けた病院からの紹介状をご持参ください。外来は水曜日となります。あらかじめ当院に電話をして、予約をとった上で来院ください。
担当医師紹介
豊倉 穣とよくら みのる | |
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出身大学 |
東海大学医学部 |
学会・認定資格 |
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医師コメント |
高次脳機能障害は見えない障害であり、他人には理解してもらえないことが少なくありません。これによってご本人やご家族、周囲の方が辛い思いを強いられてしまうことがあります。当外来が何らかのお役に立てれば、と考えています。高次脳機能障害の診断がなされていない方、これから社会参加を考えている方、復学・職、就学・労を考えている方も含め、お気軽に来院ください。入院中に失語症の言語療法を受けたが、退院後も外来でリハビリテーションを継続したい、という方にも対応いたします。 |
認定資格 |
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医師コメント |
「痙縮」は動作を阻害するだけでなく、筋のこわばり、痛みなどの不快感を伴います。また長期経過によって関節の可動範囲を著しく狭めてします。これにより、可能だった動作や歩行が困難になり、介護者の介助が増大する、手足の衛生が保てなくなるなど、様々な生活上の問題を引き起こすことがあります。当外来では、これらに対する予防、治療の手段として、ボツリヌス療法のみならず装具療法も併せて行うことができ、適応がある方にはその効果をより高めることがで期待できます。 まずはお気軽に来院いただき、ご希望をお聞かせください。 |
認定資格 |
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医師コメント |
2023年4月からリハビリテーション科専門外来(ボツリヌス療法、高次脳機能障害)を中心に担当しています。これらの専門外来については当該項目のバナーをクリックして診療内容をご参照下さい。評価、診断、治療につい相談を希望される場合は遠慮なく受診ください。なお、ボツリヌス療法、高次脳機能障害以外にも、リハビリテーション全般に関して生活、仕事のことでお困りのことがあればお気軽に来院いただけます(電話で予約をお取りください)。 |