聴覚・人工内耳センター
近年、超高齢化社会の進行により「聞こえと認知」の問題については世界中で多くの人達から注目されており、難聴対策が認知症の予防に繋がるといわれています。そこで2020年4月より新たに聴覚・人工内耳センターを立ち上げました。
難聴をそのままにしておくと、日常会話で聞き取れない、人からの呼びかけに気づけないなどの出来事が増え、コミュニケーションがスムーズでなかったり、トラブルにつながることがあります。薬物治療や手術治療で改善できる方には積極的に治療を行っています。
残念ながら手術では治らない患者様には難聴の十分な説明とチーム医療をを通して補聴器のスムーズな導入や人工内耳を中心とした人工聴覚器治療、更に聴覚管理に力を注いでいきたいと考えています。
当センターでは医師・言語聴覚士、臨床検査技師でカンファレンスを行い、検査結果の評価、診断、術前術後のフォロー、リハビリなどについて意見交換を行い、情報を共有して患者様のフォローに当たっております。
聴覚・人工内耳センター長
石田 克紀
スタッフ
- 耳鼻咽喉科医師
- 言語聴覚士
- 臨床検査技師
- 看護師
人工内耳の適応
成人人工内耳適応基準(2017):世界基準を参考に改定されています。
聴力および補聴器の装用効果
各種聴力検査の上、以下のいずれかに該当する場合。
- 裸耳での聴力検査で平均聴力レベル(500Hz、1000Hz、2000Hz)が90dB以上の重度感音難聴。
- 平均聴力レベルが70dB以上、90dB未満で、なおかつ適切な補聴器装用を行ったう上で、装用下の最高語音明瞭度が50%以下の高度感音難聴。
慎重な判断が必要なもの
- A)画像診断で蝸牛に人工内耳を挿入できる部位が確認できない場合。
- B)中耳の活動性炎症がある場合
- C)後迷路性病変や中枢性聴覚障害を合併する場合。
- D)認知症や精神障害の合併が疑われる場合。
- E)言語習得前あるいは言語習得中の失調例の場合。
その他考慮すべき事項
- A)両耳聴実現のため人工内耳の両耳装用が有用な場合にはこれを否定しない。
- B)上記以外の場合でも患者の背景を考慮し、適応を総合的に判断することがある。
その他の人工聴覚器
- EAS(残存聴力活用型人工内耳)
- BAHA
- 人工中耳手術 VSB
についても個々の症例に応じて治療を行っています。
担当医師紹介
石田 克紀いしだ かつのり | |
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茅ヶ崎中央病院 副院長 聴覚・人工内耳センター長 |
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出身大学 |
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略歴 |
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資格 |
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医師コメント |
患者様との信頼関係を第一にわかりやすく丁寧な診療を心がけております。聞こえに関する疾患を専門にしており、中耳手術・人工内耳手術を始めとして補聴器の導入などについても積極的に取り組んで参りたいと思います。 |